宇城市不知火美術館 2023年春の企画展 おかえりなさい、シスコさん―100年前の松橋を旅する

熊本県のイベント

2023年4月15日(土)~6月15日(木) 
熊本県/宇城市/宇城市不知火美術館 

本展では、熊本県下益城郡豊川村(現・宇城市松橋町)で育った塔本シスコの作品を紹介します。

53歳の時、見よう見まねで絵を描き始めたシスコは、それ以降、身近な風景や出来事、子どものころの思い出などを、次々と絵画作品に描き留めていきました。

団地の4畳半一室をアトリエに、油彩やアクリル絵の具の絵画はもちろん、空き瓶や空き箱、こたつの天板など身の回りのものもキャンバスにする、あふれる創作へのエネルギー。

伸びやかで、色鮮やかな作品からは、描く喜び、身近な人びとや風景への愛情や感謝があふれてきます。

2023年2月、松橋で過ごした子ども時代の思い出などを描いた作品15点(絵画13点、造形物2点)が宇城市に寄贈されました。

今から100年前、シスコは10歳。

寄贈作品には、その頃の松橋の風景や生活の様子が描かれています。

自らの人生を描き続けた塔本シスコに倣い、ゲストアーティストに、絵本作家の荒井良二、作曲家の野村誠、プロダクトデザイナーのitiitiを迎えて、宇城の皆さんとともに作る楽しみに満ちた展覧会を開催します。

100年前と今がつながる扉をみんなで開いていきたいと思います。

塔本シスコ「古里の家(シスコ、ミドリ、シユクコ、ミア、ケンサク)」
1988年 キャンバス、油彩

=作家プロフィール=
塔本シスコ(とうもとしすこ)
1913(大正2)年、熊本県八代郡郡築村生まれ。生後まもなく、熊本県下益城郡豊川村(現・宇城市松橋町)の養父母のもとに移り、育つ。養父のサンフランシスコへの憧れからシスコと名付けられた。50歳を過ぎてから絵画を描き始め、2015年に91歳で亡くなるまで40年もの間、家族に支えられながら精力的に作品を生み出した。身近な世界をいつくしみ、留まることなく描きつづけた作品は、多くの人に力を与え続けている。<ゲストアーティスト>
荒井良二(あらいりょうじ)
絵本作家。1956年山形県生まれ。『たいようオルガン』でJBBY賞を、『あさになったのでまどをあけますよ』で産経児童出版文化賞・大賞を、『きょうはそらにまるいつき』で日本絵本賞大賞を受賞するほか、2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど国内外で高い評価を得る。また、NHK連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラストを担当、2018年まで「みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ」芸術監督に就任するなど、その活動の幅を広げている。
野村誠(のむらまこと)
作曲家。2022年、塔本シスコ展(滋賀県立美術館)でワークショップ「シスコ万歳まつり」を開催。NHKEテレ音楽番組「あいのて」を監修して以降、番組で出会った荒井良二と様々なコラボを展開。2021年、宇城市に移住。現在、「千住だじゃれ音楽祭」(東京)、「ガチャ・コン音楽祭」(滋賀)、「世界のしょうない音楽祭」(大阪)の監修を、遊び心いっぱいで楽しんでいる。第一回アサヒビール芸術賞受賞。著書に『音楽の未来を作曲する』(晶文社)ほか。
itiiti(いちいち)
「い草のこれから、い草をこれから。」
建築を学んだ2人が、身近にある素材をひもとき「分解と集積」をヒントに新たな形のプロダクトを提案。松橋のい草を使用したグラフィカルで軽やかなジュエリー「igusa」は、日本の建築モジュールを築いた畳の原料である”い草”でありながら今では住環境から消えつつもある”い草”を「身につける」という視点でファッションとしての可能性を追求しているブランドです。
=関連イベント=
綱引きまつり
100年前を思いながら、宇城の皆さんと春の満月の日にみんなで作る新しいお祭り。
美術館・図書館一周年記念も兼ねて行います。
【日時】 5月4日(木・祝) 10:00~18:00
【会場】 館前広場、芝生広場、アトリエ大ほか
【ゲスト】 宇城市の皆さま、荒井良二、野村誠ほか
*参加無料、予約不要
【開館時間】9:00~18:00(土曜日は21:00まで) *入場は閉館の30分前まで
【休館日】会期中無休
【入館料】大人300円、高大生200円、中学生以下無料
*20名様以上の団体は2割引
*障害者・戦傷病者の各種手帳の交付を受けている方及びその介助者の方は半額
*後期高齢者医療被保険者証の交付を受けた市内在住者は半額

問合せ先:宇城市不知火美術館 TEL 0964-32-6222

詳細は・・宇城市不知火美術館Webサイト

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