長崎県美術館「超絶技巧の鉛筆画 吉村芳生展」

長崎県のイベント

2024年3月22日(金)~5月12日(日) 
長崎県/長崎市/長崎県美術館 企画展示室

人はどこまで描き写せるのか。

鉛筆による細密描写で現代アート界に衝撃を与え、2013年に63歳で急逝した吉村芳生(山口県出身)の大回顧展。

活字1文字1文字まですべて手描きで完璧に写しとった「新聞」、1年間毎日描き続けた「自画像」、写真と見まがう「全長10mの花々」など、リアルな作品の数々に画家の執念、時間の集積を感じずにはいられません。

初期のモノクロ作品から晩年の鮮やかな花々まで、驚きと感動に満ちた約500点により画業の全貌に迫ります。

「無数の輝く生命に捧ぐ」(部分)2011-13年 色鉛筆、紙

<見どころ1.>
ひたすらマス目に斜線を引く!

版画や、鉛筆でのドローイングが中心の初期の作品。

「ジーンズ」の技法は2.5mm四方のマス目に、濃淡を0から9の数字で記入。

「4は斜線5本」などのルールで機械的に描写しています。

「ジーンズ」1984年 インク、フィルム

「ジーンズ 下絵(数字)」(部分) 1984年 鉛筆、紙

<見どころ2.>
活字も写真もすべて手描き!

生涯で2000点を超える自画像を描いた吉村。

この作品は新聞紙に顔を描いているのではありません。

新聞紙面すべてが手描きです。

自画像の表情は、その紙面を見た際の吉村の実際の反応が描かれています。

「新聞と自画像 2008.10.8 毎日新聞」
2008年 鉛筆・色鉛筆・水性ペン・墨・水彩、紙

<見どころ3.>
10mの大作も色鉛筆で!

後期作品はカラフルに、巨大化。

1990年頃から吉村は色鉛筆で描いた花の絵を制作するようになります。

本作は実際の情景とは天地を逆にして描いています。

上下を逆にすることで、虚構と現実、日常と非日常が入れ替わることを表現しています。

「未知なる世界からの視点」2010年 色鉛筆、紙 ©YamamotoTadasu

<吉村芳生(よしむら・よしお)>
1950年山口県生まれ。日常の情景や美しい花々をモチーフとして版画や鉛筆画を制作し、国内外の多くの美術展で入選を重ねる。
対象物を鉛筆で克明に描き写す驚異の作風とその圧倒的な描写力に大きな注目が集まり、再評価が高まっている。
=関連企画=

三上詩絵さん特別講演会
人気テレビ番組で”色鉛筆の先生”としておなじみの三上詩絵さんによる特別講演会。
色鉛筆画の奥深い世界について語っていただきます。
【日時】 3月31日(日)11:00~、14:00~
【会場】 長崎県美術館 2Fホール
【料金】 無料(要本展観覧券、半券可)
*参加方法など詳しくは、後日、長崎新聞Webサイト、長崎県美術館Webサイトで紹介します。

【開場時間】10:00~20:00 *最終入場は19:30
【休館日】4月8日(月)・22日(月)
【観覧料】一般(大学生以上)/前売券(全日)1,100円、当日券(平日)1,200円、当日券(土日祝日)1,300円
小中高生/前売券(全日)500円、当日券(平日)600円、当日券(土日祝日)700円
*小学生未満無料
*本展観覧券でコレクション展にも入場可
*15名以上の団体と身体障害者手帳等(*)提示者および介護者1名は前売料金 *詳細は長崎県美術館Webサイトをご確認ください。
*前売券販売期間:2024年3月21日(木)まで

問合せ先:長崎県美術館 TEL 095-833-2110

詳細は・・長崎県美術館Webサイト

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