2026年2月14日(土)~4月5日(日)
長崎県/長崎市/長崎県美術館 企画展示室

《桜島》1954年 貼絵 ©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2026
放浪の天才画家・山下清 生誕100年を記念した大回顧展
長崎会場限定作品を含む約190点でたどる、創作の全貌
「放浪の天才画家」と称された画家・山下清(1922-1971)。
山下は驚異的な記憶力によって、旅先で目にした風景を細部に至るまで思い出すことができました。
細かくちぎった色紙を貼り重ねていく貼絵の技法を駆使して生み出される彼独自の風景画は、今なお多くの人々から愛されつづけています。
2022年に生誕100年を迎えたことを記念して開催する本展では、《桜島》など山下の代表的な貼絵作品はもちろん、幼少期の鉛筆画から遺作となった「東海道五十三次」シリーズの一部に至るまで、油彩、水彩画、ペン画、陶磁器の絵付けなど、多彩な作品の数々を紹介します。
独特の色彩感覚、温かみのある作風といった特色は共通しているものの、多様な表現は山下芸術の新たな側面に気づかせてくれるはずです。
加えて蔵書やリュックサック、浴衣といった関連資料も展示し、山下清の生涯と芸術をさまざまな角度から振り返ります。
本展は約190点の作品・資料で構成される、まさしく山下清展の「決定版」というべき大回顧展です。
2022年から全国を巡回してきた本展ですが、ここ長崎が最終会場となります。
ぜひご来場ください。

《こいのぼり(大橋清)》1930-1932年頃 鉛筆画 ©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2026
第1章 山下清の誕生—昆虫そして絵との出合い
1922(大正11)年、浅草に生まれた大橋清。彼こそ、のちに多くの人々に愛される画家となる「山下清」です。
大病によって後遺症を抱えることとなった清の幼少期は孤独で、彼の楽しみは虫捕りや絵を描くことでした。
そして1934(昭和9)年に入園した養護施設「八幡学園」における「ちぎり絵」との出合いが、清の画家としての才覚を花開かせてゆきます。

《長岡の花火》1950年 貼絵 ©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2026
第2章 学園生活と放浪への旅立ち
学園で出合った「ちぎり絵」をベースにテクニックを進化させ、独自の「貼絵」の手法を確立した清でしたが、18歳を迎えた1940(昭和15)年、突如として学園から姿を消しました。
以降清は、日本各地を思うままに巡る「放浪」の旅を10年以上にわたって繰り返します。
清はときおり家や学園に戻り、驚異的な記憶力をもって、旅先で目にした風景を貼絵として描き出しました。
この放浪の日々のなかで、《桜島》や《長岡の花火》といった名作が生み出されています。

《お蝶夫人屋敷》1956年 ペン画 ©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2026
第3章 画家・山下清のはじまり―多彩な芸術への試み
1956(昭和31)年、「東京の大丸」(現:大丸松坂屋百貨店)で清にとってはじめての大規模な展覧会が開催されました。
本展は26日間で80万人が来場するなど大盛況をみせ、その後も全国各地で次々と個展が開かれるなど、日本列島は「山下清ブーム」に沸きます。
こうしたなか、画家としての意識を高めてゆく清は、油性マジックペンを用いたペン画や油彩など、代名詞である貼絵のみならずさまざま技法に取り組み、創作の幅を広げてゆきます。

《パリのムーランルージュ》1961年 水彩画 ©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2026
第4章 ヨーロッパにて―清がみた風景
1961(昭和36)年、清は自身にとってはじめてのヨーロッパを中心とした海外諸国をめぐる旅に出かけました。
約40日間におよぶ旅のなかで、清は20点余りのスケッチを描き上げており、これらは帰国後、貼絵やペン画、水彩画として結実していきます。
この時期に制作された作品では、従来と比較して、より実景にせまる遠近感をもつ構図やきわめて細密な貼絵による色彩表現が確認でき、清の技術の到達点が示されています。

花もも(九谷焼)》1956年 色絵蓋物 ©Kiyoshi Yamashita / STEPeast 2026
第5章 円熟期の創作活動
1950年代半ば以降、各地で開催される個展にあわせて日本全国を訪れる清は、その土地の窯元を訪れ、陶磁器の絵付けを行いました。
のびやかな造形と色彩による陶磁器の絵付けはペン画とともに、晩年の清が中心的に取り組んだものです。
1965(昭和40)年、「東海道五十三次」シリーズを構想した清はおよそ4年をかけて取材を重ね、その成果として生み出された55点からなるペン画による「東海道五十三次」シリーズが清の遺作となりました。
本展では、これらペン画をもとに制作された版画作品を通して、最晩年の創作にせまります。

《長崎の景色》1963年 貼絵 十八親和銀行蔵 ©Kiyoshi Yamashita 2026
特別出品
株式会社十八親和銀行が所蔵する《長崎の風景》および《長崎の景色》を長崎会場のみ特別出品します。
1963(昭和38)年に制作されたこの2点は、清の熟達したテクニックを味わうことのできる、晩年の代表作に数えられる作品です。
また本展出品作である《グラバー邸》や《お蝶夫人屋敷》とあわせて鑑賞することで、長崎ゆかりのイメージを通して、山下清芸術の展開をお楽しみいただけます。
| 【開館時間】 | 10:00~20:00 *最終入場は19:30まで |
| 【休館日】 | 2月24日(火)、3月9日(月) *3月23日(月)は臨時開館 |
| 【観覧料】 | 一般1,500(1,300)円、中高生1,000(800)円、小学生以下無料 *( )内は前売りおよび15名以上の団体料金 *会期中に限り本展観覧券でコレクション展にも入場できます。 |
問合せ先:長崎県美術館 TEL 095-833-2110
詳細は・・長崎県美術館Webサイトへ


