熊本市現代美術館「遠山昇司展 収蔵庫の鳥たち」

熊本県のイベント

2025年10月5日(日)~12月24日(日) 
熊本県/熊本市(中央区)/熊本市現代美術館 ギャラリーⅠ・Ⅱ 

映画監督・遠山昇司展が
鳥(トリ)ミングする世界

美術館に眠る収蔵品から、自身の過去の映画作品やアートプロジェクトまでを、遠山昇司が「鳥」を切り口として、新たな視点で再構成するインスタレーション形式の個展です。

海の上の小学校を郵便局に見立て、手紙の交換をするアートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」、豪雨災害後の球磨川を撮った映画「あの子の夢を水に流して」などの代表作から、シベリア抑留体験を絵画にした画家・宮崎静夫の描く鳥にスポットを当てた新作インスタレーション「鶴をひらく」、及び展覧会タイトルでもある「収蔵庫の鳥たち」を展示します。

併せて、熊本県立小国高等学校の生徒の皆さんと共同制作した映像作品「しろい息」も紹介します。

<主な出品作品>
アートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」

あなたの水曜日を送ると、誰かの水曜日が届きます
2013年に熊本県津奈木町で実施されたアートプロジェクト。
海の上に立つ旧・赤崎小学校を水曜日だけ開局する郵便局に見立て「葦北郡津奈木町福浜165番地その先」の住所に、水曜日の物語を書いて送ると、見知らぬ誰かの手紙が交換されて送られてくるプロジェクト。
遠山は全体のディレクションと水曜日郵便局の局長を務めた。
また、2016年には宮城県東松島市で「鮫ヶ浦水曜日郵便局」も開局した。(2013~2016年)

=関連イベント=
会期中に「小さな水曜日郵便局」が美術館の中に開局します。
あなたの水曜日の思い出を誰かと交換してみましょう。
【会場】 アートラボマーケット
*切手代等の参加費が必要です
映画「あの子の夢を水に流して」

豪雨災害後の球磨川を舞台に描く「生命」をめぐる物語
生まれて間もない息子を亡くして失意の底にいる37歳の瑞波は、故郷の八代に10年ぶりに帰省する。
幼なじみと再会した彼女は、彼らとともに豪雨災害の傷跡が残る球磨川をめぐる。
川を前に、災害当時それぞれが見たものを語りあう3人は、やがて不思議な現象に遭遇する。
第12回バウネアーリオ・コンボリウー国際映画祭 最優秀監督賞・最優秀演技賞(2022年制作)

インスタレーション「収蔵庫の鳥たち」

映画監督がつくった『展覧会』/ミュージアムと収蔵庫をめぐって
本展リサーチのために熊本県博物館ネットワークセンターを訪れた遠山は、絶滅危惧種やかつて学校の理科室で使われていたものなど、大量の鳥類剥製を実見する。
「ミュージアム」もまた記憶や情報を伝えるメディアであることに着目した遠山は、展覧会そのものを、人々の記憶の「収蔵庫」に見立てることにした。
ミュージアムの収蔵庫は、物理的な限界を迎えている。
私たちはこれから、何を記憶し、未来へと継承していくのか。
本展を通して、遠山は問いかける。(2025年)

映像作品「しろい息」

小国高校生と制作した映像作品
遠山は、本展と同時期に阿蘇郡小国町で開催される地域をフィールドとした芸術祭「小さな国 十月」(10月4日~11月3日)の総合ディレクターも務める。
「アートと学びの祭典」を目指す同祭の準備を通して、小国に残る歴史や文化を知った遠山は、町の教育の重要な拠点である小国高校の生徒たちと共同で、2月の早朝に「しろい息をはく」新作映像の撮影を実施した。
「しろい息」は、今を生きる生命の象徴である。
その尊さを三好達治の詩「大阿蘇」とともに体感してほしい。(2025年)

=作家プロフィール=
遠山昇司 Shoji Toyama
映画監督|アートディレクター
1984年 熊本県八代市生まれ、東京在住。
早稲田大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了。
主な映画作品に、熊本・天草を舞台にした『NOT LONG, AT NIGHT −夜はながくない−』(制作:2012年/第25回東京国際映画祭〈日本映画・ある視点部門〉出品作品)、熊本豪雨を受けて制作された『あの子の夢を水に流して』(制作:2022年/第12回バウネアーリオ・コンボリウー国際映画祭 最優秀監督賞・最優秀演技賞)等がある。
同時に、映画だけでなく、多様な分野で活動し、熊本県津奈木町にある海に浮かぶ旧赤崎小学校を再利用したアートプロジェクト『赤崎水曜日郵便局』(2013年/2014年グッドデザイン賞受賞)は、多数のテレビ番組で特集され、書籍化された。また、国内屈指の規模をほこる『さいたま国際芸術祭2020』では統括ディレクターを務めた。
=関連イベント=
オープニングトーク
「収蔵庫の鳥たち」展ほか、小国町で開催中のプロジェクトについて語ります。
*「小さな国」特製スープもあわせてお楽しみください。
【日時】 10月5日(日) 13:30~15:00
【会場】 ホームギャラリー
【出演】 遠山昇司(本展作家)、「小さな国」プロジェエクトメンバーほか
【料金】 参加無料 *予約不要
アーティストトーク 1.「遠山昇司×日比野克彦(熊本市現代美術館 館長)
会場内をツアー形式で巡ります。
【日時】 10月12日(日) 14:00~15:00
【集合】 会場入口
【定員】 40名程度
【料金】 参加無料 *予約不要
アーティストトーク 2.「遠山昇司×片岡真実(森美術館 館長・国立アートリサーチセンター センター長)
本展や地域芸術祭の在り方について語ります。
【日時】 11月15日(土) 15:00~16:00
【会場】 ホームギャラリー
【定員】 80名
【料金】 参加無料 *予約不要
=関連開催=
芸術祭「小さな国 十月」
阿蘇郡小国町を舞台に遠山昇司がディレクターを務めるアートと学びの祭典。
秋の山里を本展とぜひあわせてお楽しみください。
【会期】 10月4日(土)~11月3日(月・祝)
【会場】 坂本善三美術館、小国シネ・ホール、小国町内各所

詳細は・・公式Webサイト

坂本善三美術館開館30周年記念展「日々。」
【会期】 10月4日(土)~11月30日(日)
【会場】 坂本善三美術館(熊本県阿蘇郡小国町黒渕2877)ほか
【出品作家】 藤原雅哉、ワタリドリ計画、若木くるみ、岡山直之とケヤキノタミ、小国のたまり【場 with 増野奈古ほか

詳細は・・公式Webサイト

【開館時間】10:00~20:00(入場は19:30まで)
【休館日】火曜日 *ただし、9月23日(火・祝)は開館
【観覧料】火曜日 *ただし、9月23日(火・祝)は開館
【観覧料】  一般1,300円(1,100円)、シニア(65歳以上)1,000円(800円)、学生(高校生以上)800円(600円)、中学生以下無料
*( )内は前売り、20名以上の団体、電車・バス1日乗車券を提示の方、市電みどりのじゅうたんサポーター証、熊本県立美術館友の会証、JAF会員証をご提示の方
*各種障害者手帳をご提示の方とその付き添い1名は無料
*うぇるかむパスポートをご提示の方は無料
*前売券の販売は10月4日(土)まで
*10月12日(日)は開館記念日のため入場無料

問合せ先:熊本市現代美術館 TEL 096-278-7500

詳細は・・熊本市現代美術館Webサイト

ご参考・・遠山昇司Webサイト

地図

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