2025年12月6日(土)~2026年1月28日(水)
熊本県/宇城市/宇城市不知火美術館

ファッション業界では誰もが知る名前――有田正博
熊本発、その審美眼を紹介する初めての展覧会
一枚の衣服や一足の靴を通して、世界を知り、表現する――。
50年にわたり、熊本から独自のファッション文化を発信し続けてきた伝説的な人物がいます。日本のファッションシーンにおいて「セレクトショップ」の原型を作った一人とされる、有田正博(1952年、八代市生まれ)です。
インターネットも携帯電話もなかった1970年代、有田は東京と同時期、時にはその先端をゆく海外のファッションを熊本に導入しました。まだ無名だったポール・スミスやマーガレット・ハウエルをいち早く見出し、他の店が扱い始めると潔く手放す――常に「まだ誰も見たことのないもの」を選び抜いてきました。
有田が拠りどころにしたのは、専門的な知識や流行ではありません。磨きつづけた自らの「眼」と「手」だけを頼りに選びとり、それを人々に紹介してきました。そこには“永遠のアマチュアイズム”ともいえる、純粋な眼差しがありました。
「かたちは服や靴かもしれないけど、芸術やってるんだという気持ちです」
そう語る有田の営みは、見ること、選ぶこと、そして装うことを創造的な行為へと変えたのです。
2024年の冬、有田は最後の店「パーマネントモダン」に幕を下ろしました。本展は、有田が選び抜いてきた唯一無二の数々を通して、「つくる人」だけでなく「見出す人」の眼に宿る創造性を明らかにします。
地方都市・熊本から世界を見据え、独自の審美眼でひとつの文化を築いたその軌跡は、ものや情報にあふれる現代において、“自分の眼で見ること”を、あらためて私たちに問いかけるでしょう。

クラーティエ・マルテンス レザートートバック 2000年代 白木世志一

平原圭子 昭和初期の端午の節句のぼり旗で制作されたパンツ 2007年頃 白木世志一

パーマネントモダン 1930年代アメリカの木型を修正した靴 2012年 白木世志一

小嶋崇嗣 《PARFUM 24ml Pendant》《PARFUM 100ml Pendant》 2018年 白木世志一

有田正博、自邸にて 2025年撮影 白木世志一
宇城市不知火美術館・図書館・・・
北川原温+伊藤建築事務所によって、不知火海が作り出す蜃気楼現象「不知火」をシンボリックにイメージして設計される。
1999年に「不知火文化プラザ」として開館。
2022年4月に「不知火美術館・図書館」として、美術館、図書館、ミュージアムショップ、カフェが併設する複合施設リニューアルオープン。
コンセプトは、「誰もが創造性を育み発揮する図書館・美術館」。
リニューアル開館1か月で前年度の年間来館者数5万人を突破。
| 【開館時間】 | 美術館/9:00~18:00(土曜日は21:00まで) *入場は閉館の30分前まで |
| 【休館日】 | 会期中無休 |
| 【入場料】 | 大人300円、高大生200円、中学生以下無料 *20名様以上の団体は2割引、ほか各種減免制度あり *チケットご提示で会期中、何度でも入場可能 |
問合せ先:宇城市不知火美術館・図書館 TEL 0964-32-6222
詳細は・・宇城市不知火美術館・図書館Webサイトへ


